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闇に咲く華

第1章 幼少期


20

「お市様、警戒心が無いにも程があるぞ」
「ごめんなさい」

ちょっと正座してお説教受けなう。

いや、何でかと言うとさっき会った彦太郎さんは既に元服してた青年で
・・・つまり明智光秀となってたからなんだけど。
何でうちに居たかっつーと、幼馴染みの濃姫さんが兄さまに輿入れするので。
その伝で織田軍に志願に来ていたらしい。

もうすぐ濃姫様が来るので先だって追い掛けてきたというのは
優しいと言うか、この何ちゃってBASARA界の光秀は変態さんじゃないのかな?
とにかく、矢鱈に丸腰で近付くんじゃないって叱られてるけど一応薙刀持ってたよ!
婆娑羅も出せるもん!

つか、明智光秀って織田信長に仕える前にあちこち仕官してたハズよな?
私の記憶違いじゃないだろうけど
ここは魔法の呪文「BASARAだから」で済ませちゃおう。

ゴンッ

「痛い・・・」
「説教中に考え事とは、反省してないなお市様?」

ぬおおお、頭頂部にチョップは勘弁して下さい
せめてもの情けで素手でチョップしてくるけど結構痛いんです!
雹牙は最近、心配性なお兄ちゃんを通り越してお父さんみたいに
なってるって言ったら梅干しグリグリ食らうから言わない。

この光景は女中さんとか下の武家の人が見たら卒倒するよね。
忍が姫を説教してるだなんて。
我が家ではこれが普通なのですよ・・・

「雹牙、その辺にして下さいね・・・姫様も反省してらっしゃいますから」

おお、天の助け。黒羽まじ母ちゃ・・・ゲフンゲフン
人気の無い道場の隅っこでする事じゃないですよね。

彦太郎こと光秀は兄さまの所に行った様なので今は私達以外誰も居ないのです
・・・中々にシュールな光景だよね、これ。

「姫様、明日にも信長公の御正室様が到着されます。
宴が終わるまで、窮屈でしょうが暫し大人しくなさって下さいね?」
「薙刀の稽古は庭で出来るように整えたから安心しろ」
「はい・・・」

道場までは来れないけど部屋に面した庭で稽古OK?
これは嬉しいと雹牙に抱き着いたら乱暴にポンポンと背を叩かれた
うん、不器用だけど優しいお兄ちゃん達に感謝してもしきれないです。

翌日、朝から準備があるのか周囲の気配が忙しなく動いてる中
黒羽の助けを貰い正装の着物に袖を通す。
輿入れの儀の時に何すればいいんだろう?
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