第1章 幼少期
「姫様、お帰りなさいませ」
部屋に入ると黒羽がお茶の用意をしてくれていたので
ついでに今日の報告も聞きましょか。
「今日は黒羽、国親様のご用事?」
「ええ、ここの者には出来ない事でしたので私にと」
おや、何かあったろうか?何だっけ、と雹牙を見ても知らんと言われた。酷いなキミ
「あの件、姫様が大変憤慨してらした、弥三郎殿の陰口の犯人探しです」
「見つけたの?」
「・・・お市様、笑顔の問いの気迫が恐ろしい」
え、そんなつもりないけど全く。
犯人は教える事は出来ないけど、黒羽の内部潜入による第三者からの聴き込みから
陰口の原因の人と、国親様に入れない様にしてた共犯者を取っ捕まえるこ事は出来たのだそうです。
後は国親様自らが制裁を下すので
「くれぐれも、くれぐれも姫様はお手を出さぬ様」
「何で2回、言ったの」
「お市様は一人で暴走しそうだからな」
「・・・否定できない」
まあまあと黒羽に宥められながら、長曽我部家最後の夜は更けていった。