第1章 幼少期
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次の御用は甲斐または奥州。
位置的に尾張をまたぐ感じになってしまうので・・・
休憩がてら、色々報告もあるし
兄さまのお嫁様も来るので一時帰宅する事にしました。
なんとなーくお土産を買いたいなと思い堺の方に寄り道して貰って
そのなんとなくが、こんな出逢いが待っているとは
全然思っていませんでした。
パチパチと木造の建物の焼ける音と・・・血の匂い
少し離れた所で子供らしい気配と大人の気配
黒羽と雹牙に目配せをして気配を絶ち、何時でも婆娑羅を発動させれるように集中する。
言い争ってる様な声?
周りの建物を見たらただの喧嘩じゃないよね、これ
護身用の短刀を握り婆娑羅を増幅させる、こんなものかな。
さてさて、真打ち登場ってね。
「頼む!秀吉は見逃してくれ!」
「ぐっ・・・」
「卿らは何か勘違いしている様だが、餓鬼の躾は大人の役割でね」
近づいて状況確認そして混乱中
まさかの秀吉&慶次の松永出会いフラグか!
ねねさん死んじゃうあれか!
たしか松永さんのおっさんの強さに圧倒されて力の豊臣に倒れて行くんだっけ
そして松永さん、貴方の行動は大人と言うよりも子供より子供らしいよ?
この、心はいつも子供の壮年おじさん
「慶次」「な、秀吉!」
「婆娑羅者かね」
放っておいたら秀吉さんと慶次さんが危険なので瞬時に私の婆娑羅で覆い地面に隠して移動させ
私も前に出た
「二人とも、大丈夫?」
「女子?」
「今のは君の力かい?助かったよ」
助けてくれた人がまさか自分より小さい女の子だったというのがショックだったのか秀吉さんは
慶次さんはさっき秀吉さんが危なかったので心底ホッとして。
でもね、まだまだ気の抜けない状況なのです。
猛禽類の様な眼光を細めて興味深く見つめて来る御仁がね、居るのですよ。
「ほう、誰かと思えば織田の姫君ではないかね。
万有諸国の旅に出たと聞いたが、旅が嫌になって蜻蛉返りでもしてきたかね」
「もうすぐ兄さまの、お嫁様が嫁がれる日よ、そんな大切な日に、市が旅に出て居ません。となったら相手のお家に、失礼極まりないわ」
絶対零度のブリザードの会話を交わして。
いくら外見が10のガキだからって舐めて貰っちゃこまりますん。