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闇に咲く華

第1章 幼少期


「市です、この前は、ごめんね」
「本当にお姫様だったのか・・・」
「フン」

そこの雹牙、小馬鹿にした様に鼻で笑わない
眼力で少年の肩が一瞬ビクってなったぞ、本当に私以外の子供に容赦無いな

「喜介・・・あの」
「弥三郎、俺」

二人の声がほぼ同時に重なる、うん青春ですね・・・えっ違う?
両者言いづらそうにもじもじと、喜介からいいよ、いや弥三郎から言えよ
どこぞのトリオお笑い芸人の譲り合い漫才じゃないんだから全く。

「?」マークいっぱいで状況が掴めてないお子様も二人居るので、ならば私が指名致しましょうと挙手。

「どうぞ、喜介君から」
「俺!?う、うん」

うん、私の背後の存在が素直に従った理由なのは流石の私でもちょっと察した。
一応ポンポンと叩いて牽制はしとくから安心しておくれ。
何で黒羽が来てくれなかった、とほ。

状況の掴めてないお子様も呼び呼びして一緒に観戦。

一応、軽く説明として「ちょっと喧嘩したの」とは言っておいた
間違いではないデショ。

意を決したのか少年はばっと弥三郎に向き直り

「酷い事言ってごめん!」
「私・・・いや、俺だ、俺こそ悪い・・・いつも泣きべそばっかで情け無くて」

ビックリだ、弥三郎が・・・美少女なのにアニキだ(混乱中)
口調が変わった?いや、変えたのか。国親様の口調を真似たんだね。

「市に教えて貰ったんだ、大切な物ってやつを、守るべき物を、それを俺はずっと逃げていたんだ」

慣れない口調を確かめる様に紡いでいく弥三郎

「もう俺は逃げねえよ、親父みたいに立派な国主になってお前らを守る為に戦うからな!
なっ!市!」

にっかり笑ってこっちを見て
ああ、今日はこれを見て欲しくて私を連れて来たのねと思い至った。
子供の、男の子の成長って早いなと感心。

だから何で私なんだろう?
他に居るだろう、こう・・・国親様とか!

解せぬ

帰った後も凄かった。
何がって国親様の親バカ炸裂振りがお腹いっぱいです

仲が良いのは大変宜しいんだけどね。
単に私が可愛がられ慣れてないせいもあるけれど。

アニキ口調になった弥三郎を見た国親様は最初驚いたみたいだったけど
次第にむくむくと笑って弥三郎と側に居た私を撫で回した。

はー、可愛がられ過ぎて疲れた。

尾張には無かった経験でございます、有難い経験です
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