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闇に咲く華

第1章 幼少期


16

弥三郎の部屋を出て、私達の部屋に戻ったら
何故かニコニコした顔で国親様が鎮座してらっしゃいました。

黒羽は苦笑いで向かいに座って

そういや弥三郎と一緒に居た時途中から気配二つ程消えてたね!
雹牙は居たみたいだから気にしてなかったけど何があった!
部屋に入ると雹牙もすとんと黒羽の傍に降りてきた

「国親様、黒羽どうしたの?」

こてりと首を傾げて聞いてみたら国親様がニコニコ顔で手が呼び呼び、ん?

私はワンコじゃありません!ってくらい可愛がられた。撫でられた!?ああもう髪ー!?

「弥三郎に付けてた忍が報告に来てな、詳しい事を市姫の忍、いやこの兄さんに聞いてたんだよ
あいつ少し吹っ切れたみたいだな・・・市姫には本当に感謝しても仕切れねえ」
「市は、思った事を言っただけよ?」
「それでも、なかなか前に進めないでいた弥三郎の後押しに成ったんだ、礼を言う」

そう言う国親様の顔は真剣で、こっちも思わず姿勢を正し
力になれて嬉しいとぽつりと返すだけだった。


「市ちゃんごめんね、無理言って付いて来て貰って」
「ううん、大丈夫?」
「・・・」

次の日、雹牙をお供に弥三郎と外に外出中
そこのお兄さん、すっごい機嫌悪そうだよ!

弥三郎が友達の喜介くん?と仲直りするのにどうしても私に付いて来て欲しいのだと言うので
国親様と御用のある黒羽を置いて雹牙を引っ張って
初日に来た浜辺まで来ています

「何で俺まで」
「そこ、いい加減、諦める」
「ごめんなさいお兄さん、早く帰れる様に努力しますので」

相当不本意なのかぶつくさ言ってるね珍しい
私の用事じゃなく弥三郎の用事に駆り出されてるからか
ハッキリしてるね、素直に嬉しく思う私も単純だけど。


三人で砂場をさくさくと歩いて行くと子供が三人
その内の一人はこの前の少年だ

「あ、こんにちはっ」

思わず弥三郎がぎこちない挨拶を交わす

「お、弥三郎じゃん!久しぶりだな」
「後ろの綺麗な子はだあれ?」

顔の見ない二人は喜介くんと弥三郎の気まずい空気を知らぬらしい?
およ?と雹牙と顔を見合わせたら喜介くんがこちらに気付いてちょっとビクついた

「お前らあの時の・・・」
「家に来てる市ちゃんて言うの、よろしくね」

弥三郎がフォローしつつ紹介してくれるけどあの時は雹牙が威嚇したからね。
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