第1章 幼少期
「織田信長が妹、市と言います。国親様から
弥三郎さまは、此処だと聞いて来たの、迷惑だった?」
さらに声を掛けたら僅かに気配が動いた
「ど、どうぞ入って下さい」
ゆっくり開けられた襖から覗いた弥三郎さまの銀の髪の毛が
部屋からの光に照らされて綺麗だなーなんて
また思考がぶっ飛んでた。
弥三郎さまの部屋なう。
私は何しているかと言うと弥三郎さまとポツリポツリと会話しながらチクチクお裁縫中
チラリと弥三郎さまの様子を見たら何だか居心地が悪そうだ、うーむ。
「ごめんね」
「え?」
突然の私の謝罪に弥三郎さまが慌てた
「突然押し掛けて、弥三郎さまの都合考えないで、迷惑だったね」
「そ、そんな事ない!お市ちゃんは悪く無いよ!悪いのは私っ・・・」
そこで弥三郎さまの青い右目からボロボロと涙が
ああ、擦っちゃだめタオルタオル布布。雹牙有難う。
「弥三郎さまごめんね、弥三郎さまは悪く無いよ」
涙を押さえ付けて拭いて子供をあやす様に抱き締める
背中を擦っていると落ちついたのか
「違う、違うの」
「ん?」
「私は・・・お、鬼子だからっ」
そこでまた涙が溢れる。ああ、擦っちゃ駄目だって。
再び拭ってやりまた抱き締めると弥三郎さまはちょっとびっくりした様に、グスグス言いつつ戸惑ってる
その台詞言った子って・・・
「弥三郎さま、この城の誰かが言ったの?」
「それ、は・・・言われてない」
「仲の良い子?」
「・・・っ!ぅん・・・」
あの子かー・・・でも反省してる風だったから
遊んでてからかってうっかり出た言葉何だろうけど如何せん
言葉が悪かった。ありゃ向こうが悪い。
「城の人には何て言われるの?」
「それは・・・」
隠してた積もりだったろうけど私は聞き逃さなかったよー?
城の人に鬼子とは言われてない、じゃあ他に何と言われてるのかね?
誰が言ってるのか聞き出して国親様にチクって差し上げよう。
子煩悩なお父さんの事だ笑顔で鉄拳制裁くれてやるでしょう。
「気持ち悪い色だ、とか物の怪の類いだとか・・・」
ほー・・・こんな子供にそんな事言う小者がいるんだやっぱり。ふぅーん。
よしチクろう今なら私も絶賛応援して制裁に混ざるぞう