第1章 幼少期
「そういや先触れが来てから長いこと日が経ってたが何処か寄ってたのか?」
「ああ・・・此処の前に毛利様の所に・・・」
毛利家も色々あったなーと思いながら
詳しくは話さず、かい摘まんで些細な事を話して。
そこの松寿丸君と仲良くなりましたと言ったら国親様は意外そうな顔をして
「ほー、あの坊主が市姫に懐いたのか」
「国親様は弘元様とお知り合い?」
松寿丸を知ってる風だったのでコテリと首を傾げて聞いてみると
「ちょっと縁があってな、同盟組んでるんだ
たまに会ったりしてるんだがな」
ちょっと言いにくそうに頭の後をガリガリと
ん?何だろう。
「市姫と同じ年の頃の息子と松寿丸は何とも無いんだが
あの腹黒親子には何時も俺が泣かされてる」
ぶっ
腹黒親子って言わずもがな弘元様と興元様!!
言われればドS属性ですものねー
そして国親様は弄られるんですね、解ります。
松寿丸はそれを見て深々と溜め息を吐いてるに違いありません。
ちょっと噴き出しそうになるのを必死で堪える
ここで笑っちゃアカン私。無心無心。
「あー、市姫。滞在中頼みたい事があるんだが・・・いいか?」
ブルータス、お前もか。
じゃなくて、貴方も私の様な小娘に頼むのですか。
「市でいいの?」
「恐らく、市姫にしか頼めねえな」
ええ、もう断言ですか。
どんだけ期待されてるんですか?
期待に添えられ無かったら地平線まで逃げますよ。
「期待に添えられ無かったら、ごめんなさい」
「市姫らしく居ればいいんだよ」
不安げに呟いたら優しく撫でられました
くそう、マイホームパパには弱いんだぞう。
長曽我部家の忍さんのご案内で奥の部屋に向かってます
国親様のお願い事、嫡男の弥三郎さまのお友達になって欲しいとの事
話聞いて即効「兄貴フラグ来たよ」と脳内でorzなポーズになったのは言うまでも無い。
何この武将エンカウント率の高さ、これって何かの試練なんじゃなかろうかと思った
こちらです、と小さな声で促されて忍さんは消えてしまわれた
周りに居るのはうちの忍二人と襖の先に2つ
弥三郎さまと影護衛さんかな?
気配が少し揺れている?どうしたんだろう。
ぽすぽすと襖を軽く叩いてから声を掛けてみる
「こんばんは、弥三郎さまいらっしゃる?」
しーん
む、びっくりさせちゃったかな?