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闇に咲く華

第1章 幼少期


11

もともと気配を読む素質はあったのか、一度コツを掴んで仕舞えば簡単で

スパーン

「みっけ」

コンコン

「ここ」

襖の陰に忍んでた方を不意打ちで開けて暴き
天井裏に潜んで居た方を棒で指定したら降りてきた
傍らで観戦していた三郎四郎も感心した様に

「お前、凄ぇな」

うちの忍さん達?
庭の方で傍観決め込んでますよ?口布で何話してるのか解んないけど十中八九私の事でしょ。
黒羽は優雅に脚を揃えて立ってるのに
雹牙は何故にヤンキー座りなのか疑問だ。


何はともあれ、これで屋敷内の隠れ役の忍さんは見付けたはずだ。
数合ってるよね?と三郎四郎に確認すると合ってるって返された。やったー!

と言う訳ではい、と包みを忍さん達に渡すと黙られた。
何故黙るし。いや、初めて見る食べ物に警戒してるんだろうけど

仕方無いなあ、と忍さん達の前に出て同じ包みを出し
広げて中の物をもぐもぐと食べて見せた
それに気付いた三郎四郎が「何だそれ」って聞いてきたので「私が作った南蛮のお菓子」と答えたら
「ふーん」と頷いた後私の持ってる包みの中のお菓子をひょいっと摘まんで食べて「美味いな」
と普通に感想を述べた。

おおい、忍さん達が警戒してさせたく無かった事を飄々としてやって除けるな。

ほら、様々な葛藤を繰り広げてた鉢屋衆が呆然と君を見ているよ・・・

「お前ら何で食わねえんだ?」

視線に気付いた三郎四郎が鉢屋衆に促すと各々包みのクッキーを口に入れた
後で鉢屋衆には失礼な態度を取って申し訳ないと頭を下げられました。

三郎四郎は私があげた包みのクッキーをもりもり食べてるけど、まあいいや、嬉しいし。


鉢屋衆だけでなく三郎四郎もお菓子を食べたと言うのを聞かされて経久様も乗り込んで来たのは言うまでも無し。

「此処で姫様の思わぬ才能が明らかとなりましたね」

雹牙が煎れてくれたお茶でまったりと寛いでたら
黒羽がしみじみと呟く

「気配を読む事?」
「そうです」
「前は鈍臭かったからな」

はい…事実です!
前まで全然感心無かった。というか意識してなかったというか
いや、たまに気配が分かったりする時もあったな?
と考えれば、単に私の危機感が無かっただけですね済みません

「今日は沢山勉強になった…」
「良かったな」

雹牙に頭を撫でられました。
うむ、もう私は何も彼に突っ込むまい。
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