第1章 幼少期
一緒のお屋敷ということもあってか三郎四郎はすぐに懐いてくれて
夕餉も一緒に食べてくれた
私達と一緒に居るのが楽しいんだそうな
良かった良かった。
寝る前に、尼子さんの家にあった将棋をお借りして三郎四郎と対戦中。
黒羽と雹牙はもう寛いで部屋の隅においた机に資料を置いて何やら口パクだけで会話してます
最近になって少しずつ読める様になってきたけど
あれは最近のここらの治安や戦の状勢についてだ。
パチッ
「休息が済んだら次ぎはどこに行くつもりなんだ?」
「取り合えず一番近いお使いは、土佐かな?」
ポチ
「海渡るのかよ・・・どこの船とか決まってんの?ほれ、王手」
パチッ!
「う・・・多分移動方法は二人任せ、に・・・負けました」
「お前、頭良いから強いと思ってたのに弱いな」
「こういうの、苦手」
前世からこういうボードゲームはからっきしで
囲碁も兄さまに教わってみたけどチンプンカンプン
それでも気にするなとは言われたけれど
「強くなりたいなぁ」
「盤上の上だけ強いのもどうかと思うぜ?
こういうのは実際争ってみなきゃ判んねえんだから
お前の場合戦場で機転が利く方だと俺は思うんだがな」
そんなもんなの?と首を傾げたら
そんなもんだと頭を撫でられた
だから、私の頭って撫でやすいのですか?
いや、私ちっこいから頭が目の前にあるのは分かるけどさ。はぁ。
あ、でも
「気配に、もうちょっと聡くなりたい」
「鈍いのか?」
鋭い言葉にちょっとだけグサっと来たけど!
「忍とかの、気配に今一・・・?」
「忍か・・・」
朝起きた事とかかい摘んで説明したらうむ、と理解してくれた模様
身分的にそこは聡くないと不味いよねー・・・やっぱ
まあ、取り合えず今日は寝よう。
冗談半分で三郎四郎にも一緒に寝る?って聞いたら「寝ねえよ!馬鹿!」と顔を真っ赤に怒られて逃走。
雹牙から無言で背後から後頭部をチョップされた
黒羽は机に肩肘をついて苦笑いで笑ってます。
雹牙め、キミはいつからツッコミ役に回ったんだ
いつか立場逆転してやる・・・