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闇に咲く華

第1章 幼少期


荷解きを程々に済ませてから袴に着替えて庭を探索する。
塀の中はあちこちに緑が茂っていてちょっと驚く

これは黒羽がうっかり猫になってしまったのも頷けるかもしれない・・・

ちょっと歩いたとこで人らしき気配?
私と同じ位の年の男の子が竹刀を使って素振りなう。
ひょこっと顔を覗かせた私に気付いてちょっとビクッと肩が跳ね上がって

「なっ!お前、じいさんの言ってた客か?」
「織田信長が妹、市って言います」

傍までとことこ歩いてきてペコリと一礼したら「律儀だな」って言われた。
え、普通でしょ?

「俺は三郎四郎だ。様は堅苦しいから要らねえよ、宜しくな、市」

ふむ、まだ尼語・・・じゃない。
ポエマーな空気は纏ってないんですね。

しかし松寿丸といい三郎四郎といい
君たちは世の女性を敵に回しそうな位の美形っぷりですね!
とても羨ましいです、ご馳走さまです


三郎四郎は色素が薄いのか灰色掛かった髪色に瞳
そして尼子の色の桃色がとてもマッチしています
髪をじーっと見てたのがむず痒かったのか
綺麗な顔がちょっと悲しそうに歪む

「あー・・・気持ち悪いか?この色」
「え?そんなこと、無いよ?」

即答で否定したらつり目の大きな目がちょっと開いて

「母上がな、気味悪がって俺を遠ざけた理由がコレなんだよ」

ちょっと自嘲的に笑って自分の髪を摘まむ三郎四郎

私は屋敷の上の方を向いて「雹牙、降りてきて」と声を掛けたら
覆面をした忍が私の横に降りてきたので
三郎四郎は?マークをいっぱいに飛ばしていた

「雹牙、ちょっとごめんね」

徐に覆面を解いていくと三郎四郎も息を飲むのが解った

白い髪に赤い目、医学的にはアルビノなのだろうけど
雹牙は光に弱い素振りは見せないので多分婆娑羅の影響なのかなー
素顔が露になって注目されても雹牙はどこ行く風で(遠い目になってるとも言ふ)
私が雹牙の顔に横顔ピッタリくっ付けて抱き着く

「三郎四郎は、この人怖い?気味悪い?」

答えを待ってる間、反応してくれない雹牙に抱き着き直したり頬擦りしたら流石にチョップ噛まされた

「慎みを持て!」
「お兄ちゃん、暴力反対!」
「ぶっ」
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