• テキストサイズ

闇に咲く華

第1章 幼少期


「侍女達が騒がせて済まなかったな」
「いえ、織田信長が妹、市です」
「尼子経久だ、お主が尾張の魔王の妹か」
「昨夜はうちの者が失礼を・・・」
「やはり姫の者であったか
大方此方に滞在する間、警戒に超した事はないと思って放っていたのだろう?」

ぶっちゃけ貴方のお孫さんに会いたかったんです
とは口が裂けても言えなかったので
「そう言う事です」としか言えません
ちょっと噴き出しそうになるのを無心になって堪えて

「旅の疲れを癒す為、の少し滞在の許可を、頂きたいのですが」
「うむ、儂は構わないのだが少し頼み事を引き受けてはくれぬか?」
「はぁ」

色々経久様も苦労なされてるんですねー
まあ、するだろう。この西部劇の様な砂の大地なら!
女中さんに連れられて通されたのは城の離れにある屋敷

「では私めはここまでで、後は宜しくお願い致します」
「ありがと」

城の方に戻って行く女中さんに手を振ってお礼を言ったらすっごい良い微笑みを返してくれた
お姉さん達の萌えポイントが今一掴めません。

「屋敷に誰かいる?」

天井に向かってそうポツリと漏らせば
天井の板の一枚が外れ忍装束に着替えた雹牙が降りてきた

「ざっと見た処」

雹牙の赤い目を見上げて見つめて話を聞いてると
それに気付いた彼は私の目線にまでしゃがみ
聞きやすい体勢を取ってくれた
だからキミはこういう業をどこで覚えてくるんだね?
一度じっくり腹を割って話し合おうではないか。

雹牙の柔らかな白い髪の毛を指で透いてたら怒られた。
だって綺麗なんだもん、え?話を聞け?
ああ、それはごめんなさい。

「はぁ、もう一度言うが屋敷に若様が一人に影警護くらいで、影警護には俺達の事は伝達済み
暫く客人として居るが、あくまでもお市様の休養だ
夢々忘れぬ様に。」

そうなのである、滞在中の経久様のお願いなんだけど。
離れの屋敷を客間として貸すから孫と仲良くしてやってくれんか、というもの
定期的にここの忍軍、鉢屋衆も来るからいいだろうと仰りましたが
ここのセコムは良いのだろうか色々と。

とりあえず、お邪魔します。
ペコリと頭を下げてお屋敷に入ってった。

あとの案内は鉢屋衆の方にお任せして。
与えられたお部屋に案内されるとそこは庭に面した綺麗なお部屋でした。
広過ぎず狭過ぎず、うん丁度良い。
/ 334ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp