第1章 幼少期
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城に迎えて貰ってから用意された部屋にて謁見の仕度をする。
城の侍女さんに着物を着付けて貰ってる間に
黒羽と雹牙は付き人の格好で部屋の外で待ちぼうけ。
侍女の中に刺客は居ないと判断して好きにさせてるそうです。
かわりに?ガールズトークの最中に居るので私はタジタジです!
お姉様方の気迫が凄い!えーん、ヘルプミー!
「姫様小さいのに本当に可愛らしい、三郎四郎様のお嫁様に来ますの?」
「年頃になったらどんなに美しい姫様になるのか想像しただけでも胸が高鳴りますわぁ」
「ずっとお付きの方と旅してるんですって?お兄様のお使いで?偉いわねぇ」
「お付きのお二人見た?二人共凄く見目麗しいこと」
「あら、梅だめよ狙っちゃ?二人は姫様に忠誠を誓ってるんだから」
「ごめんなさいね、姫様。ここって男所帯だから姫様みたいな可愛い方が来て皆浮かれちゃって」
「いえ・・・」
申し訳無さそうに笑う女中頭さんの言葉ににこりと笑って返せばまたきゃあっと歓声が
ううむ、ここまで歓迎されると思わなんだ。
聞けば先日、三郎四郎様の母君に当たる方が病で亡くなり
父親の方も何年か前に戦で亡くなったのだという
という事は三郎四郎様が家督を継げる年齢になるまで
祖父の経久様が尼子を継いで居るのね
史実は詳しくないけど聞く話によるとそうなんだろう。
思ったよりも複雑?
三郎四郎様の肩に乗っかった期待が大きいのも事実。
経久様が偉大ならば尚更。
きゃいきゃいと女共で騒いでいたら外からお声が掛かった
お呼ばれの様です!
わたわたバタバタと残りの支度を済ませる事になった。