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闇に咲く華

第1章 幼少期


09

大分日も傾いて来たか

少し眠っていたみたいで、どれくらい時間が経ったのか分からない

日除けに被っている大きめの着物からちょこっと顔を出して辺りを見回してから
新鮮な空気を肺いっぱいに吸い込んだ

「目覚められましたか?」
「うん、ここ・・・どこ?」
「ここは出雲だ、今日はその城下で宿を取る」

出雲?出雲ってどこだっけ?出雲大社は・・・島根らへんだっけ
あれ、鳥取じゃないよね?

何で砂漠。どこのアラビアンナイト。

寝惚けた頭で漠然と疑問に思っていました。


「あ・・・そっか」
「姫様どうされました?」

突然納得したような言葉を発した私に
武器の手入れをしていた黒羽が手を止めて問いを掛ける

大したことじゃないんだけどね。

「思い出したの、ここって尼子様の領地?」

何かの書状を手に読んでた雹牙がこちらを見て頷いて肯定する。
やっぱりそうか、砂の領地ったらあの人じゃないか

砂のプリンス尼子の晴様(謎)
ポエマー晴さま!そして毛利元就の義兄弟。

ここの未来はどうなるのか解らないけれど
3をPLAYしていたファンとしては会ってみたい気持ちが
むくむくと膨れ上がる訳であります。

・・・でもなぁ

会いたいんだけど、会う理由が無いんだよ。
残念な事に兄さまのお使いには尼子家は入ってないのである
がっくし・・・

一人で考えを巡らせて百面相してたら雹牙が

「何か用がある奴でも居るのか?」

って聞いてきたもんだから、ご子息様
確か同じ年頃の子が居たはずと曖昧な情報を渡したら

「では、私が少々探りを入れて来ますね」

と黒羽が消えてしまった
仕事が早い!てかいいの?お使いは?

「数日滞在したところで問題無いだろう、旅の疲れも有るだろうし早く休め」
「ここも忍居るんでしょ?黒羽大丈夫?」
「彼奴は闇の婆娑羅持ちだから俺よりも闇に溶けるのは容易い
此処の鉢屋衆に婆娑羅者が居るという情報も無いから安心しろ」

だから心配要らんから早く寝ろと言わんばかりに捲し立てられた
お兄ちゃん酷い。

「おやすみなさい・・・」

そう声をかけて目を瞑っていたら布団の上の方に
一定のリズムでポン、ポンと不器用に叩いてくれた
いつの間に来たんだ雹牙。
そしてこの業をいつの間に覚えたのだね
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