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闇に咲く華

第1章 幼少期


しょうじゅまるー?と顔を見ようとしたら後ろから大きな手で頭を撫で回わされた
松寿丸もだから多分弘元様が両手を使って私達を撫で繰り回してるんだろう
私はされるがままだが松寿丸は「ち・・・父上っ」とちょっと動揺中
何か可愛いぞ松寿丸、にゃんこみたいで。

「今日は二人とも頑張ったな偉いぞ」
「本当だ、流石我が弟だ松寿丸。姫も弟に劣らぬ知略を持つと聞いた
これからも松寿丸と仲良くしてくれ」

その言葉に松寿丸と、ん?って顔になって

「弘元様・・・興元様・・・?」
「父上、兄上」

私が頭良いって情報はどこから?って聞いたら弘元様がケロっと

「ああ、信長からの手紙にな
水車や便利なカラクリの設計図と共に発案が市姫だと・・・」
「・・・兄さま」

ちょっと頭を抱えた、兄さま何してくれてるの
設計図を見た松寿丸が、発案が私だと聞いて更に目を剥いてこっちを凝視してきた
やめてそんなに見ないで穴があったら入りたいー!!
そんな様子を黒羽は天井裏から、雹牙は広間の隅からヤレヤレと眺めておりました。


「市、もう行くのか?」

「ゆっくりして行けば良いものを・・・」と言いつつ
眉間にぶっとい皺を寄せて松寿丸が目の前で不貞腐れております。
濃いぃ日だったけど滞在はほんの3~4日だったからねー

松寿丸の後ろで弘元様と興元様が苦笑い
珍しい反応なんだそうです

「兄さまのお使い、まだあるし。お手紙ちゃんと書くから、ね?」

指切りげんまん、をしたら
「忘れるな」と短く、簡潔に言われた。
機嫌は浮上したらしい

黒羽の乗る馬に相乗りし、雹牙も馬に乗って横に並ぶ

「松寿丸またね、弘元様、興元様、お身体にお気をつけて下さい」
「父上や兄上が一滴でも酒を口にしたならば織田へ行く故心配するな市」
「う・・・松寿丸・・・誓おう、市姫の期待に応えられる様に」
「ははは俺もか、負けましたね父上、姫もまた遊びに来てやってくれ」

毛利の優しい皆様の見送りに手を振って
黒羽の胸にしがみ付いて

次のお使いは何処へ行こうか。
書状を手に取り思案中・・・
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