第1章 幼少期
08
松寿丸とお出掛けして襲撃食らって返り討ちにして帰った後
早速弘元様からお呼びが掛かりました
部屋に入ると松寿丸も居てちょっと驚きました
「弘元様、失礼します」
「市姫!本当によく無事であった、ここにいる松寿丸から話は聞かせてもらったぞ」
「市、あれは今どうなっている?」
「今…雹牙が尋問中のはず」
忍的に聞いてるから尋問という名の拷もn・・・ゲフン
武士風だったし尋問慣れしてないと思うから
すぐ吐いてくれると思うよと言ったら弘元様が気不味い顔をされて・・・ん?
「その、何だ。市姫に…毛利の問題事に巻き込んでしまって本当に済まない」
「そう思われるのならば市が来た用件の方も呑んで戴きたいですが父上」
「!松寿丸、いつ聞いて…愚問であったか」
「大体、父上がしっかりしていれば此処まで市が手を煩わせる事も無かったのでは?」
・・・なんだろう、この目の前で繰り広げられる親子喧嘩(但し一方的)
嫁姑戦争の様に姑(松寿丸)が嫁(弘元様)を一方的にチクチク攻撃しています
嫁のライフはもう0よ!松寿丸!
「これ以上言っても酒を飲むと言うのならば我にも考えがあります!」
そう声を上げた松寿丸が私の方へ歩いて来て・・・
「父上が一滴でも酒を口にしたならば我は毛利を出る」
「え?」
「は…松寿丸!?」
何でそうなった?
天井裏で黒羽が転けた様な音がしたのは気のせいじゃ無いと思う
その後も松寿丸は言い出したら聞かないみたいで
弘元様が何を言っても駄目だの毛利を出るだの一点張りで
どれくらいその押し問答をしてたか分からないけど
渋々と弘元様が折れる事に
他国にも迷惑掛けたしケジメだそうだ。
長かったね、随分と・・・
まぁ、依存症の人にはショック療法って言うけど
松寿丸はちょっとやり過ぎかな、効果抜群だったけどさ。
これが策か、恐ろしい子!
部屋に戻る途中、松寿丸に聞いてみた
「もし、毛利を出るって脅しが効かなかったら、どうする気だったの?」
「ああ、謀反を企ててる奴が居る以上父上が酒に溺れているのならば何時でも潰されようぞ
その時は市の居る織田へ流れてみても良いかと思うてな」
「…」