• テキストサイズ

闇に咲く華

第1章 幼少期


07

次の日、朝餉を済ませて黒羽と雹牙と作戦会議。

勿論、井上氏の不審な動向や弘元様に対する偽りの忠義の裏付け調査
取りあえず具体的な事は決まったので
今日は松寿丸に二人を紹介するよと言ったら
揃いも揃って微妙な顔された。なぜじゃ。

「まあ・・・普通は忍の紹介はしませんね」
「お市様の場合素だからな」

少し苦笑いでフォローしてくれる黒羽は優しい!ありがとう!
雹牙やい、それは暗に私がアホの子だと言いたいのかキミは!事実だけど!

「意地悪・・・」

恨みがましく二人を見てたらふいに黒羽と雹牙の姿が消えた
うあ?あ、天井裏に行ったのか。
いつ見ても凄いな忍クオリティ。

そんな事を一瞬考えてたら廊下に人の気配が現れてこちらに向かって来る。
この気配は・・・

「突然済まない、市姫少し良いか?」
「弘元様?どうぞ・・・」

少し嬉しそうに顔を綻ばせて覗かせた顔にコテリと頭を傾げたら撫でられた。

「あの松寿丸が予想以上に市姫を気に入った様で驚いている
今朝も市姫と城下へ行きたいと言い出してな
聡さ故か滅多な事に我儘も言わないのだが、今回は市姫の付きの者も了承しては貰えぬだろうか」

そう言って天井の方に目を向ける弘元様
私も釣られて向けると二人が膝まずいた姿勢で下りてきた

「そう畏まるな、其方らは市姫の『家族』なのであろう
今日は一日、息子も頼んだよ」
「「御意」」

今日は松寿丸とお出掛けだ、わあい。
出掛ける仕度をして最後に忘れ物が無いかチェックしてたら小さな足音が近付いてきた

すぱーん!

「市、出掛ける仕度を・・・!しておったか」
「もう、出来てるよ」
「いつの間に?」
「朝に、弘元様が来て、ね?」

君の話を嬉しそうにしていったよーと言えば
「父上め・・・」と恥ずかしそうに外方を向いてしまった
うんうん、可愛い。・・・じゃなくて
クイクイと松寿丸の袖を引っ張るとこっち向いてくれた

「松寿丸、この二人が昨日言ってた、市の家族」
「黒羽と申します」
「雹牙だ」
「・・・知ってると思うが、松寿丸だ」

ちょっと異様な光景だけどまぁいいか
慣れて仕舞えば全て良し!
え、何か違う?そこは気にしない方向で。

「成る程、市は婆娑羅者なのか」
「小さい頃に、敵の忍に襲われた時に、目覚めたみたい?」
「何故疑問視」
「気付いたら気絶しちゃってたし・・・」
/ 334ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp