第19章 赤と青
日は完全に沈んだが、ナツキは帰って来ない。
「...ナツキが居ねぇ?」
「あぁ...。
昼間にはぐれたっきり、戻って来ねぇ」
殴られるのを覚悟で親父に話した。
もちろん、他の奴らにも。
「俺達も手分けして探してみたんだが、全く見つからねぇ」
まだ探すんだと暴れるエースを押さえつけているサッチとイゾウ。
「ナツキが自分から姿を消すとは思えない。
親父、俺は攫われたんじゃないかと思う」
イゾウが静かに、だが真剣に告げる。
「......そういや、近くにあったな。
アレが」
親父がアレ、と示すのはヒューマンショップ。
人身売買をする店だ。
「サッチ、イゾウ。
お前ぇら、まだナツキがこの島に居るかもしれねぇから念の為残って探せ。
あとの奴らは隣の島へ向かう」
「「あぁ」」
サッチとイゾウを残し、俺達は隣の島へ船を走らせた。
定期的に連絡は取ると、約束して。