第19章 赤と青
「く、はぁっ......」
段々と扱いが乱暴になり、檻へ投げ込まれた。
「また酷い怪我だね。
意識はあるかい?」
「なんとか...ね」
あれからどのぐらい経ったのだろうか。
途方もない時間が過ぎたと思う。
いや、過ぎたと錯覚するだけか。
「もう少しだ、あともう少しだけ...」
広範囲に破れ、本来の役目を果たせていない衣服。
ボロボロで左右非対称になった髪。
その髪を嫌な顔をせず優しく撫でてくれている。
「レイリーさん......」
「ん?なんだい?」
「人生って上手くいかないのね…。
どうしていつもこうなのかしらね、私。
生きている価値がないって遠回しに言われているのかしらね」
「馬鹿なことを言うんじゃない。
生きることを、諦めてはいけないよ」
真っ直ぐに目を見つめられる。
強い意志を持った瞳。
「大丈夫、必ず助かる。
いや、助ける。
私は嘘はつかない、信じなさい」
諦めかけていた私の瞳から、涙が零れた。