第19章 赤と青
「随分と酷いことをするじゃないか。
お嬢さん、大丈夫か?」
「...ええ、まだ屈しはしないわ。
ところで...ここがどこか知ってるの?」
「...ここはヒューマンショップ。
名前ぐらいは聞いた事あるだろう?」
ヒューマンショップ...。
人身売買を行う店。
そんな奴らに捕まったなんて...。
「お嬢さんは顔が知られているみたいだね。
君のような子が拷問されるなんて初めてだよ」
「札付きですからね」
自嘲気味に笑う。
「ここから逃げたいかね」
「...その方法があるのなら、今すぐにでも。
私には仲間が居るの、その仲間の元へ帰りたい」
「分かった。
君をここから逃がす為、手を貸そう。
だが少々過酷だがね」
「逃げる為ならなんでもするわ。
例え両手を切り落とそうともね」
「その意気、気に入ったよ。
私の名はレイリー、ただの老人さ」
「私はナツキ。
よろしくお願いします、レイリーさん」
「あぁ。
若い芽は大事に育てないとね」