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【ハイキュー!!】happy ignorance R18

第5章 uncomfortable fact


side 月島 蛍

何のつもりなの?
僕の事、揶揄ってるの?

そんな言葉を何回も飲み込んだ。

あの日から和奏と居るのが辛くて仕方がない。

もう諦めるしかないんだ…って思った次の瞬間には、
まだ僕にも可能性があるんじゃないかって思うような思わせぶりな行動を取られて…舞い上がりそうになる度にあの日の和奏と及川さんが脳裏に浮かぶ。

こんなの…離れないとやってられない。

失恋くらいでペース乱すとか…本当に嫌だから、和奏の事は極力視界に入れたくない。

それでも、たまに視界の端に入り込む和奏が、悲しそうな目でこっちを見ていたりすると、一気に感情が引き戻される。

本当…勘弁して。

その日も、そんな和奏の様子が気になってしまったんだ。
部活中から思い悩んだ様子でこちらを見る和奏。

何て顔してるのさ。
そう言って、彼女の頭を撫でたい。

和奏の事で、浮かれちゃ駄目だって、わかっていたはずなのに。

部活が終わっても、帰る気配のない和奏。
用事があるなんて言ってたけど…嘘だってバレバレだから。

和奏なんて気にしちゃいけない。
そう思っても…もし夜道で襲われたら…?
夜遅ければ、普通にただのクラスメイト同士だって送って行くくらいするでしょ。

そう自分に言い訳をして、引き返した僕の目の前で、今、想像も出来ないような行為が行われている。

和奏と菅原さんがキスをしている。
それだけじゃない。

和奏の見た事もないような上気した表情。
キスの合間に漏れる息遣い。
菅原さんを呼ぶ切なげな声。

何だよ…これ。

夢でも見てるんじゃないかと、思いたかったが、
縫い付けられた様に身動きが取れなくなってしまったせいで、2人の行為をじっくり見せつけられてしまい…その生々しさが夢などではないと僕に告げている。

胸への愛撫を続けて菅原さんの手がおもむろに和奏のスカートに伸びて行くのが見えた時に、急に金縛りが解けたかの様に体が動いた。

それ以上、和奏に触るなっ!

そう思ってドアを殴れば、2人とも僕の存在を知らせるには充分だった。

「蛍君…。」

先程の菅原さんを呼ぶのとは似つかない声で和奏が僕を呼ぶ。

「何してるのさ…?」
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