【ハイキュー!!】happy ignorance R18
第5章 uncomfortable fact
涙目でキスに応える皐月からゆっくり唇を離す。
2人の間をどちらの物ともつかない唾液が繋いで、俺を視覚的に煽る。
「菅原さん?急にどうしたんですか?」
トロンとした表情をしながらも、出て来る言葉のトーンはあくまで普通。
でも皐月との行為を繰り返すうちに、そんな違和感も薄らいできた。
「皐月の言葉に傷付いたから、ちょっと意地悪したくなった。」
ニッと虚勢の笑顔を浮かべて、本音を伝える。
「え?傷付いたって…え?意地悪??」
まぁ、そんな俺の本音と皐月が噛み合わないのも、いつもの事。
むしろ、噛み合わないから今こうして居られる…。
伝わって欲しい気持ちと、このままこうしていたい気持ちが矛盾して俺の中でせめぎ合う。
「最後まで付き合ってくれるだろ?」
皐月の気持ちを無視して、彼女と繋がるこの行為だって、皐月には意地悪だとさえ認識出来てない。
本当なら意地悪どころでは済まされない行為なのに。
「はい。菅原さんともっと気持ちいい事したいです。」
そう言って嬉しそうに笑う皐月を見たら、俺の中の罪悪感なんて一瞬で飛んでしまう。
下半身の質量が増した事を感じながら、皐月の唇を奪う。
キスの合間に苦しそうに息をする皐月の様子を見ているだけで、どんどん余裕が無くなって、ボタンを外す時間も惜しく感じたので、スカートから引き抜いたシャツの下から皐月の素肌に手を滑らせた。
「あ…あぁ、菅原さん…。」
既に固さを主張してる胸の突起に触れると、皐月から愛らしい声が漏れる。
最中に名前呼ばれるの…破壊力ありすぎだべ。
胸への刺激だけで俺の支えと、背中を預けた壁が無ければ立っていられない様子を見れば、満足感と同時に、先を急ぎたい気持ちが起こり、再び皐月に唇を押し当てた。
皐月の唇の柔らかさを堪能しながら、スカートに手を伸ばした時、ドンっと後ろでドアが音を立てた。
素手で殴ったような鈍い音だ。
やべ…鍵閉め忘れた。
焦り過ぎて、返って冷静にそんな事を考えていると、皐月が先に声を上げた。
「蛍君…。」
恐ろしいくらいに状況を理解してない皐月の声を受けて振り返れば、見た事も無いような表情の月島がこちらを睨んでいた。