第4章 異変
「クラウスさん。お先にシャワーをどうぞ」
「一緒に入ろう、カイナ」
「お断りです。神聖なる浴室で襲われちゃたまりませんから」
「安心してくれたまえ。バスルームで君に不埒な行為に及ぶことはない。約束しよう」
本当かなあ。
クラウスさんは冷や汗をかき、
「わ、私は君から目を離したくないだけだ。どうか信じてくれたまえ」
「分かりました。じゃ、お風呂に入りましょう」
私はハーッと、ため息をついた。
…………
…………
「この……ケダモノ……! 嘘、つき……っ!」
腹いせに奴の背中に爪を立ててやるが、まだシャツを着ているせいで、これっぽっちもダメージになってない。
「私は約束を守っている。まずここはバスルームの外。それに君の了解を取っている」
バスルームがダメなら脱ぐ場所で……って、トンチかっ!!
了解も何も、あれだけ念入りに愛撫され、焦らされて快感を人質にされて、誰が陥落しないと言うのか。
「あ……っ……あん、あ……や、だ……!」
「カイナ……今の君は、とても愛らしい……どうか、もっと声を……」
素裸の私を抱え、下から貫きながらケダモノが言う。
野郎。人が脱いでいるときに襲ってきた。
適当に理由をつけて、私を脱がしながら愛撫し、私が十分に『濡れた』ところで、
『カイナ……どうか私に、君の熱を抑えさせてもらえないだろうか』と恭しく聞いてきた。
何だその、私が勝手に発情したみたいな言い方!!
ブチ切れて暴れたが、時間をかけて優しく慣らされ、下から一気に突き上げられたときにはもう、どうでも良くなっていた。
「どうだね。この体勢に苦痛はあるだろうか?」
私の腰を楽々と支え、ゆるやかに揺さぶりながらケダモノが言う。
でも、罵声を浴びせたくともそう出来ない。
「き、気持ち、いい、です……クラウスさんのが、生で……いっぱい……入ってる…!」
震えながらシャツにすがる。
私の顔とか身体とかアソコとか、全開で見られてるのが羞恥心を煽る。
クラウスさんはそんな私を見、耐えがたいと言いたげに眉根を寄せ、
「君が私の全てを受け入れてくれて、とても嬉しく感ずる」
「ひっ…や、やだ……そんなに、早くしちゃ……あ……っ!」
もはやツッコミすら入れられず、私はひたすらあえがされた……。