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夢の詰め合わせ

第1章 先生と姉



♪~♪~

テーブルに置かれたスマホが鳴ると、慌ててパンを詰め込みコーヒーを流し込んで、椅子を蹴っ飛ばす勢いで玄関へ飛んでった。

私はそれをパンを齧りながら眺め、いってらっしゃいと声かけた。

もぉ何回目か分からないデートの見送り。
その度にコンタクトで行きたがるけど眼鏡の方が似合うよ。だって、私が見立てたんだから…。




さっくりと家事を済ませ、買い物に行き、買い忘れたコンタクトの洗浄液もちゃんと買った。
午後は録画しておいたテレビをみて、夕日がリビングに差し込む頃、洗濯を取り込み、夕飯の支度に取りかかる。
今日はカレー。
銀八の大好きなカレー。

~~~♪
~~♪

鼻唄を歌いながら作る。




味見をして
「ん。うまい!」
と独り言を溢し、火を止めて蓋をすると、バイクのエンジン音がした。
時計を見ると6時を過ぎた頃だった。
それに気付かない振りをして皿を洗い始めると、間もなく玄関が開く音がした。

ガチャリ。

「あれ?お帰り、早かったね?」
「・・・・・・」
「ごはんは?」
「・・・・・・」
「お風呂沸いてるけど入ってきたら?」
「・・・・・・」

キュッと水を止めてサッと手を拭き、ドアの前で俯いて突っ立ったままの銀八の背中押してお風呂場に押し込んだ。

「ごはん作って待ってるから」

そう言うと、そっと脱衣所のドアを閉めた。
すぐにシャワーの音が聞こえて、耳を済ますと微かに啜り泣く声か聞こえた。
私はそっとドアから離れて、口から溺れそうな笑みを押し込んでキッチンへと戻った。
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