第2章 家での蜜夜【松岡凛/R18】
陽も沈みきった夜。
外には所々に儚く光る星が、自分の輝きを弱々しく主張している。
地球から見れば胡麻よりも小さな光だが、間近で見ればもっと大きいのだろう。
でも、私はこの大地から見る星の方が好きだ。なんとなく、慰めを貰っている気になる。星自身にそんなつもりは無くても、私は勇気付けられている……
凛「…何してんだ、風邪引くぞ」
思いの外長く窓から星を見つめていたらしい。
凛が何処か不審そうに声をかけてきた。
空「ん、ごめんごめん。星があんまり綺麗だから、つい黄昏ちゃったよ」
と言いながら窓を閉めてカーテンを引く。
今日は珍しく彼の部活が無かったので、久し振りに私の家に泊りに来る約束をしていた。
私の両親は共に海外出張でいないので、突然彼が来てもいつでも対応出来る形になっている。
何週間ぶりかのお泊りだ。今更ながらに鼓動が早くなってしまう。
隣に腰を下ろすと頭を彼の肩に預けてリラックス。
凛「黄昏ね…星より俺の方に目ぇ向けろよな」
何処か拗ねているような声色に耳を傾けていたら急に手を引っ張られ、彼が胡座をしている丁度穴が出来ているところにストンと体を収められてしまった。
澄んだ赤紫の瞳に見つめられては簡単に逸らすことなど出来るはずもなく。
空「ごめんって…せっかくのお泊りだもんね?」
じっとこちらも見つめ返すと徐に額を付け合せ、軽く微笑む。
すると、彼の瞳が僅かに揺らぎ…
気付けば、どちらからともなく唇を合わせていた。
薄く唇を開くと彼の舌が入ってきて、私の口内を犯す。
こちらの舌を差し出すと、有無を言わさぬ様に深く絡みついてきた。
空「んっ……ふ、ぁ……」
少し息苦しくなると漏れてしまう熱い吐息混じりの声。
それでも絡め合うことをやめないのは、少しでも今の時間を繋ぎ止めたいからかもしれない。
流石に息が続かなかったので、彼の胸を軽く叩いて離すよう要求する。
すると名残惜しそうに彼の唇が離れ、私たちの間をどちらのものかも分からない銀の糸が繋いだ。