第2章 発見と発覚
「はっきり言いますよ。
練金師である僕が妖怪や魔物といった非日常的な存在を探せるわけありませんよ。
もし、やるとしたら神霊の……。」
と、長くなりそうな話を下科は、小指で耳掃除をしながらボケーと零人の話を聞き流していた。
「…って……。話聞いてました?」
「ふぇ?…嗚呼。途中まで聞いてた。」
「それ、聞いてないと同じです。」
耳掃除をやめ、両手をポケットに突っ込み、「あ〜、暑いな〜。早く帰りたいなー」と心の中で愚痴る。
「とにかく、呪術が使える呪術師の下科さんが探せは良いんです!!」
「あんぱん食いてえー。」と言わんばかりに空をあおぐ。
「おっおい…ちょっと。」
「ん?」
下科は後ろを向く。そこにずっと立って零人の話を聞いていた高橋が口をはさむ。