第1章 前編 時の彼女と死の外科医
ユーリが決戦の地へ躍り出ると、ローとドフラミンゴが激しく戦闘していた。
ユーリは刀を構えトレーボルだけ先に片付けることにした。
幸い2人はユーリの登場に気づいていない。
奇襲を得意とするユーリの能力なら一発だろう。
隙だらけの2人にユーリは微笑んだ。
(……ユーリ!?)
ふとローが一番にユーリの存在に気づいた。
まったくこの場にくることを予想していなかったためか、思わず動きを鈍らせた。
(ちょ、なんでローが隙を作ってるんですか!って危ない危ないドフラミンゴに集中せんかー!)
そしてユーリも、ローが動揺したことに動揺した。
そのため、ユーリの存在に気づいたドフラミンゴの攻撃を避けきれなかった。
放たれた鋭い糸に刀を弾き飛ばされ消えてしまい、ユーリはしまったと思ったがすでに手遅れだった。
「ぐはぁ!……こんなことなら、バックも出しておくべきだった」
刀があるから大丈夫だろうと思ってたことが仇となり、ユーリはその場に膝をついて痛みに耐えた。
そしてその隙を逃さないように、ドフラミンゴの糸がユーリの身体を拘束した。