第1章 前編 時の彼女と死の外科医
その後ローとルフィの移動間のやり取りを、一つも逃すまいと尾行するユーリの姿は、まさに一流の忍者であった。
(今更だけどカメラとかあればよかったなぁ~。ってもうすぐひまわり畑だからいい加減どう動くか考えないと)
今から考えるんかいと突っ込まれそうだが、ユーリは2人を見ることで非常に忙しかったから仕方がない。
また何気に動物好きなので、ウーシーとキャベツの馬が重症負わないように能力使うのは難しかった。
まぁ一番難しかったのは、ばれないようにいかに良いポジションでローとルフィを眺めるかだったが。
(一番いいのはローが自らドフラミンゴを討ち取ってくれることだけど、それを気にして腕が吹っ飛んで貰っても困るしなぁ)
ユーリは捕まえようとしてくる人達を適当にあしらいながら、頭上の王宮を見上げ……さらなる上空を仰いだ。
どこに天界があるかは分からないが、ある考えが頭をよぎり、どうしても気になって仕方なかった。
しかしそれを実行する勇気はまだなかったので、ルフィがいったんローから離れて、ベラミーと戦ってる時が一番のチャンスだと思った。
ドフラミンゴと一騎打ちになったとき、全てが終ればいい。
ユーリはルフィ達が最上階に登って行くのを見届けると、その真下の階へ行き身をひそめた。