第1章 前編 時の彼女と死の外科医
(そういえば天竜人だったよこの人。天界?天国?があるとはなんとも興味深い。死んだ人とはそこへいけば会えるのだろうか?
って!トキトキとオペオペの能力を使って何をするんだ?オペオペを使ってるときは私は能力が使えないが………っは!まさかバラバラに刻んで生贄にされるとか!?)
ドフラミンゴの言葉にユーリは天界も気になったが、それよりもオペオペとの関係が気がかりだった。
そしてユーリが考え込んでいると、不意に目の前に影が落ちた。
「あぁ、そういえばロジャーの恋人がトキトキの能力者だったと噂されてたな」
いつのまにかユーリの前にはドフラミンゴが立っており、ユーリの顔を掴むと顔を引き寄せてきた。
「…いい女じゃねぇか。このままおれの女にすれば、ワンピースに近づけるかもな」
ドフラミンゴの言葉に、近くにいた幹部達がざわついた。
もちろんユーリの内心もざわついた。
「…てめェ、ユーリに触るんじゃねェ!」
もう少しで唇が触れそうな距離というところで、ローが目を覚ました。
なんとも良いタイミングで目を覚ましたローに、ドフラミンゴは笑い声を漏らすと、ユーリから手を放しローに向き合った。
「フッフッフ、何時からそんな熱い男になったんだ?ロー」
ドフラミンゴのからかうような口調にローは睨みつけると、ユーリに視線をやった。
どうやら怪我の治療はされてるようだったが、それはそれで気にくわなかった。
勝手にユーリの身体に触れるんじゃねぇよ。
ローは舌打ちをした。
ユーリはローと目が合うと、より深く刻まれた眉間の皺に慌てて目をそらした。
(び、びっくりした~!危うくドフラミンゴルートに入るところだった。いや冗談だと思うが心臓に悪いからやめてほしい、危うく能力を爆発させるところだった)
実際にはドフラミンゴは本気で言っていたのだが、それにユーリが気づくことなかった。