第1章 前編 時の彼女と死の外科医
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ユーリは原作よりもカオスな状況にあらん限りの悲鳴を上げた。
「うるせェ!」
そしてローに駆け寄り傷を診ようとしたところで、本人から頭を軽く叩かれた。
「いやぁぁぁぁぁぁ!?死体が喋ったーーー!?」
「だから落ち着け!今朝のやりとりをもう忘れたのか!?」
ローはユーリの顔を抑え込み黙らせると、血を流す脇腹と太腿が視界に入り眉をひそめた。
ユーリの己を大事にしない行動は、何度言っても治りそうになかった。
どうしてそこまでしてローを庇うのか、理解できなかったのだ。