第1章 前編 時の彼女と死の外科医
(あぁぁぁ!どうしよう!思わずコロシアム前まで来てしまったし!取り合えずローの両手に海楼石をつけてルフィに運んでもらうイベントだけは外せない!いや決して邪な気持ちがあるわけでなく、ドフラミンゴを倒すためにはローの力の温存が必要不可欠なのだ!)
ユーリはドフラミンゴの攻撃をかわしつつ、いかにしてローが捕らわれるイベントを発生させるべきかと考えていた。
ローも大分体力を消耗しているようなので、このまましれっと誘拐してくれないだろうか。
因みにここにくるまで、街に被害を出さないように気をつけていたので、ユーリ自身もボロボロだった。
それはローにも言えることなのだが。
そしてそんなことを考えていると、ドフラミンゴが懐から銃を取り出すのが見えた。
狙いを定めるのはもちろん、ふらつきながらもROOMを発動させようとしているローだった。
「ちょっとまったぁぁぁぁ!」
確かに誘拐してくれとは思っていたが、銃で撃つのは止めろよ。
なぜかって?だって痛そうじゃないか。
ユーリは咄嗟に刀を振りドフラミンゴの時を止めたが、それよりも早く銃声が鳴り響いた。
それを聞いたユーリは、無意識にワープでローの前に飛び出した。
「……っ!」
弾は全部で3発、2発はユーリの脇腹と太腿に命中し、残り一発は……
「……!?」
ユーリは目を見開き、表情を青ざめさせた。
なんと残り一発は、ローの心臓のある胸を貫いていたのだ。