第1章 前編 時の彼女と死の外科医
ユーリ達が出発して数時間後
ユーリ達は原作でも来ていたカフェで街の様子を伺っていた。
「……いつまで機嫌悪いんだ。好きなもん食っていいから切り替えろ」
ローは未だにムッとしてるというか、落ち込んでるのか分からないユーリにしびれをきかせてそう声をかけた。
因みにシーザーは今の現状に諦めて、大人しくしていた。
「くっ!私はそんな餌付けで機嫌が直ると思ったら大間違いだぞ!」
そう言いつつメニューのデザート欄を片っ端から頼んでいくユーリ。
そういえばこの世界にきて、甘いものを食べてなかったことに気づき、とことん食べてやろうと思ったのだ。
そんなユーリの様子を、呆れた表情で見ながらローはコーヒーを飲んでいた。
そして途中でグリーンビットへ続く、鉄の橋を渡るのは危険だという情報を聞き出した。
「おい、さっさと行くぞ」
危険だろうがなんだろうがそこで取り引きは行われる。
渋るシーザーと、何時までもスイーツを食してるユーリ。
ローはため息を吐くと、二人を引きずりカフェを後にしたのだった。
「なんてことだ。最後の楽しみ残していたモンブランが、結局食べれなかったではないか」
「おい!この橋は本当に大丈夫なのか!?」
再び落ち込むユーリと、再び騒ぎ出すシーザー。
そんな二人を綺麗に無視して足を進めるロー。
まったくコミュニケーションが取れてない。
そしてギャーギャー騒ぐ二人と共に暫く進んでいると、鉄の橋を作った原因である、魚のような化け物が現れた。
「おれは力を温存する必要があるから、おまえが戦え」
「右に同じ!」
「はぁ!?おまえらふざけるんじゃねー!」
ユーリから海楼石を外されたシーザーは異議を申し立てたが、どこ吹く風で無視する2人に折れざるおえなかった。
そして泣く泣く戦っていくシーザーに、追い打ちをかけるように飛んで運べと命令するロー。
ユーリはこれからどう動こうかなと考えてた。