第1章 前編 時の彼女と死の外科医
「…も…っ…いいですよ」
暫くそうしてると、だいぶ呼吸が楽になったのか、おずおずとユーリが口を開いた。
ローはまさかユーリから了承を貰えるとは思ってなかったので、一瞬呆けたような表情になった。
「どういう風の吹き回しだ?」
ローは不審そうにユーリに視線を送るが、ユーリは慌てたように顔をそらすだけだった。
仕舞には小さな声で早くと言ってくるもんだから、ローは内心舌打ちをした。
「…どうなってもしらねェぞ…っ!」
卑猥な音を立ててローは腰を引くと、痛いほどそそり立つ熱で容赦なく中を抉った。
「ひっあぁ…!」
ユーリは激しい動きに背に回している手に力を入れた。
強張っていた蜜壺は再び潤いを取り戻し、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てている。
息をつく暇も与えられず繰り返される律動で、結合部はドロドロに溶けていく。
ユーリは意識を飛ばすまいと必死にローにしがみついた。
「……おまえはっ…何を…考えてるんだ」
ユーリの首元に噛みつくように跡を残すと、ローはユーリの瞳を見つめ真意を探った。
ユーリがローをどう思ってるのか、まったく分からないのだ。
他人の心を読むのが得意なわけではないが、一船の船長としてそれなりに修羅場を潜り抜けてきた。
多少は相手の考えが読めると思っていたのだ。
だがしかし、ユーリに関しては例え少し考えてることが分かったとしても、残りのほとんどは理解できないものだった。
ローをこれほどまで振り回し、心を乱した人物は未だかつてただ1人しかいない。
最初は似ているだけかと思ったが、それも数日であの人を超えるほどの存在になりつつあった。
一体彼女のどこに魅力があるのか。
それを問われても即答できる自信はなかったが、もう後に引けないところまで来ているのは分かっていた。