第1章 前編 時の彼女と死の外科医
「…っ」
ゆっくりと啄むような軽い口づけにユーリは思わず目を閉じた。
能力が発動することはなかった。
ローはユーリが能力を使う気配がないのを確認すると、舌で唇を舐めゆっくりと口内に侵入した。
ユーリの戸惑っている舌に絡めて舐めあげ、ただただゆっくりと口内を犯していく。
ときたま呼吸をさせるように口を離してはまた塞ぐ、そんなことを何回も繰り返していた。
そしてユーリの息が上がってきた頃合いを見て、静かに体に手を這わせた。
完全にキスで力の抜けたユーリは、温度の低いローに手に一瞬驚いたが抵抗はしなかった。
ローはユーリの顔から手を離すと、唇を首元に這わせて何度か舐めると強く吸い上げた。
「…んっ…!」
そのまま耳元、項、背中へとゆっくり降りていき跡を残していった。
そして満足するまで跡を残すとユーリの腰を抱き、ローに背後を向けて密着して座らせるような体制を取らせた。
ユーリの上着は既に取り払われており、ローに寄り掛かる様に座ったユーリは、恥ずかしさからか顔を赤くし前に逃げようと腰を浮かせた。
しかしユーリの腰にはローの腕が巻き付いてるので、逃げることは叶わずされるがままだった。
ローはそんなユーリの様子を見ながら、サラサラとした白金の髪の感触を楽しむように撫でつつ、胸を隠していた下着も取り払った。