第1章 前編 時の彼女と死の外科医
「……明日ドレスローザに着くが、おまえはどうするんだ?」
ユーリはこの沈黙をどうしようかと迷ってると、先にローが口を開いた。
しかも普通に世間話を始めたので、ユーリは一瞬返答に困った。
「……そうですね、とりあえず必要な物を買いだして…それ以降は…」
ユーリはなんだか毒気を抜かれて普通に対応することにした。
といっても今後どうするかあまり考えてなかったが。
ドレスローザ編が終わればユーリが影から見守らなくても後は大丈夫だろう。
かと言って一人で放浪する気もないし、そもそもワンピースの件もあるので、正直どうすればいいか逆に教えてほしかった。
そんなユーリの沈黙をどう受け取ったかは分からないが、ローは徐にユーリの怪我をした肩に手を這わせてきた。
そして傷の様子を見せろと言ってきたので、ユーリは一瞬迷った。
しかし先ほども言ったが、どうも雰囲気が違うので大人しくローに従い服を上だけ脱いだ。
「傷は開いてねぇな」
ユーリが背を向けると、本当に診察し始めるロー。
ユーリは嘘だろ!?と思ったが、これが本来の姿だったことを思い出し大人しくしていた。