第1章 前編 時の彼女と死の外科医
※R-18です。
苦手な人はP64まで飛ばしてください
「き、きやがったな。最後まで私の期待を裏切りやがって」
ユーリはローがいつまでも姿を現さないことに、最初は逆に落ち着かなかった。
だが皆が寝静まる時間帯になれば、今日はもうこないだろうと思い安堵していたのだ。
しかしそんなユーリの期待を綺麗に無視して、再び扉に寄り掛かった状態でローが現れた。
静かにユーリを見ている視線は、何時もの雰囲気とだいぶ違うように思えた。
そしてそのままお互い無言で見つめあうこと数分。
(な、なんだこれ!視線を逸らしたら負けか?負けなのか?くそー負けねぇ!)
ユーリが勝手に勘違いして一人で戦いを始めた。
そしてローは息を吐いて視線を逸らすと、そのままユーリの座ってるベットに近づいてその隣に腰を下ろした。
「……」
そして再び流れる沈黙。
ユーリは急に戦いが終わったことに一瞬呆けたが、その後何食わぬ顔で近づいてくるローに少し体を強張らせた。
しかしさっきも言ったが、何時もと雰囲気が違うので逃げるかどうが迷い、結局ローの隣に大人しく座っていた。