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時の恋人【ONE PIECE】

第1章 前編 時の彼女と死の外科医




ローとの一件後、ユーリが目を覚ましたのは昼過ぎだった。

暫くぼんやりと部屋の中を眺めていたが、もしかしてドレスローザに着いたのかと慌てて起き上がった。

ちょうどそのタイミングでサンジが昼飯を持ってきてくれて、ドレスローザにつくまで後三日はかかることを教えてもらった。

原作だと次の日にドレスローザについたような感覚だったが、実際には違ったのだろう。

ユーリはとりあえず安堵しお礼を言って昼食を受けとると、なんとも言えない気分で食べていた。

サンジはユーリがただ寝坊しただけだと思っていたが、ユーリの体調は非常によろしくないものだった。

身体はそれなりに拭いて適当に服を着せてベットに寝かせてくれたみたいだが、そんなことはどうでもよかった。


(数時間前に100回くらい思っていたが再度言いたい。どうしてこうなった!?)

ユーリは食べ終わった食器をテーブルに叩きつけてワナワナと震えた。


(なんなんだこれ!?なぜ私の立ち位置とルフィの立ち位置が逆にならない!?いや、そんなこと妄想の世界以外ありえないが、とにかくどうして私なんだ!)

ユーリはテーブルに叩きつけた衝動で少し飛び散った汁をゴシゴシ拭きながら憤慨していた。

あまりにも激しく拭くもんだから思わず食器にぶつかり、そのまま皿が地面に落下して割れた。

更に慌てて落ちる皿を掴もうと手を伸ばしてバランスを崩し、テーブルとイスを倒してしまった。


「なんかめっちゃ腹立ってきた!こうなったら意地でも何もなかったふりして、背後霊の如く後ろから見守ってやる!」

ユーリはテーブルとイスを起こし割れた皿の欠片を集めていた。

普通ここまでされれば嫌いになってもおかしくないが、ユーリの神経の図太さのおかげか、特に嫌いになることはなかった。

それよりも気まずい雰囲気になって、援護しにくくなったほうが問題だ。

ユーリは一度決めたことは絶対に曲げたくなかったので、とことん開き直ることにしたのだ。


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