第1章 前編 時の彼女と死の外科医
「…おれも能力発動させてるからな。ちゃんとして欲しいなら、次から逃げようと思わないことだな」
ほとんどほぐされていない秘部に、猛り切った熱い先端を押し当てて、ローは凄惨な笑みを浮かべた。
そして涙も唾液を垂れ流しながら必死に逃れようとするユーリを嘲笑うかのように、一息に奥まで突き入れた。
「……が…っ…ぁ!」
腕を噛んでいる唇から悲鳴がこぼれ、ユーリは呼吸すらも忘れた。
十分に濡れてない秘部へ体格に比例するローのものを入れるのは、どうあがいても苦痛しか感じられない。
ローも一瞬動きを止め何かに耐えるよう息を吐いていたが、すぐさま激しく腰を打ち付けた。
「…あっ…やめっ!」
ユーリは背中をしならせ、膝を震わせた。
最早力すら入らないその下半身を、ローは支えるように腰を掴むと容赦なく秘部を抉った。
ふと視界の端に地面に数滴落ちている血液を見て、ローは笑みを深めた。
ユーリは暗い室内の壁を虚ろな瞳で眺め、襲ってくる鈍い痛みにただ耐えるしかなかった。
揺れる白金の髪に白い身体。
最初は苦痛しかなかったが、徐々に身体が勝手に快感を拾い始めてくる。
ユーリの悲鳴のような声に、僅かに甘い声が混じり始めていた。
「んぁっ…はっ…」
そして普段のユーリからは想像もつかない色気に、ローも次第に呼吸を荒くし腰の律動も早く激しくなった。
そして一瞬動きを止めたローが、一際強く抉るように突き入れた。
ビクビクと脈打つ塊が放つ熱い飛沫を、ユーリはどこか他人事のように受けとめて、そのまま意識を失った。
意識を失う瞬間に送られた口付け。
それだけは、優しく感じたような気がした。