第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「あの……そろそろ私は向こうに行ってもいいですか?」
ローが能力を発動させてユーリを回収しようとした瞬間、ユーリが自らこっちに来ようとしていた。
「うーん、別に構わないけど、負けたら約束は守ってもらうからね」
意外にも男はあっさり承諾をした。
ユーリはほっと一息つくと、恐る恐るローの方へやってきた。
「ど、どうも」
ユーリは顔を引きつらせながらローに挨拶してきた。
そのリアクションは何なんだとローは眉間にシワを寄せたが、これ以上彼女を責めても可哀想になってきたので乱暴に頭を撫でてやった。
「いたたたた!禿げる!」
ユーリが何か文句を言ってきたが、取り合えず先ほどの発言は一旦水に流してやるんだからこのくらい我慢しろとローは思っていた。
そしてそんな二人の様子をニコニコと男は見ていたのだった。
「じゃぁ最後の勝負を始めようか」
そしてそんなやり取りをしていると完全に男を斬るタイミングを見失い、勝負が始まってしまった。
「おい、おれのカードを絶対見るんじゃねぇぞ。横に座ってろ」
「むっ、失礼だな!私だってポーカーフェイスくらいできるぞ」
「そう言いながら目を見張ってるじゃねぇか。てめぇ今配られたカード見ただろ」
「い、いやいや見てない!ロー頑張って!超頑張って!」
そう言ったユーリはこれ以上墓穴を掘らない為にも、ローの隣に座り明後日の方向を見ていた。
ローはどんだけ分かりやすいんだとため息を吐いた。
そして取り合えずこの男の茶番に付き合うことにした。
どうせ負けても強硬手段に出るだけだ。