第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
(……いや)
ローは暫く男の表情を見ていたが、僅かに変化があるような気がした。
それはローの雰囲気が変わった影響で男が油断したものだろうか。
ただの勘違いの可能性もあるので断言できないが、ここまでくると長年修羅場をくぐり抜けて感じてきた直感に頼るしかなかった。
「……フォールド」
ローが降りると、ここにきて初めて男は驚いたような表情をした。
それを見て、ローはある1つの可能性に辿り着いた。
「随分と運がいいのか、勘が鋭いのか…それとも頭がキレるのかな?」
そう言って男が手札を見せてくれば、予想通り7の4カードが出来ていた。
男の僅かな表情の変化から、負ける自信がないのが伝わってきた。
そしてここにきて、この男がローの手札が見えている可能性があることに気づいた。
ローが落りて驚くということは、良い手札が揃っていたのが分かっていたのだろう。
というかストレートの次は4カードが揃い、更にはローが勝負に出てくるように良いカードが渡ってくる辺り、最早裏で何かしている以外考えられなかった。
ローは舌打ちすると、勝負をするのも馬鹿らしくなってきたので強硬手段に出ようとしていた。