第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「……いや、どっちに転んでも地獄が待って」
「あ゛?」
「っは!しまった心の声が!」
「…てめぇ、この状況でいい度胸じゃねぇか」
折角無表情を貫いていたローだったが、ユーリのせいで一瞬で崩れてしまった。
ローから睨まれたユーリはかなり青ざめていたが完全に自業自得だ。
そういえば忘れかけていたが、もともとの元凶はユーリだ。
そして本人に反省の色が見えないのは先ほどの言葉でよく分かった。
(どっちに転んでも地獄とは言ってくれるじゃねぇか。それなら後で期待に応えてやらねぇとな)
ローは口の端に笑みを浮かべると手札を見た。
何気にフルハウスが出来上がっていたので、ここで勝負に出るべきか迷っていた。
「ふふふ、随分表情が変わったな。彼女の影響かな?」
「悪い意味でな」
ローはもう無表情でいるのを諦めた。一度ユーリを見てしまうと、彼女の動向が気になってとても無表情でいられなくなった。
何やら変な動きをしているユーリに、てめぇはどっちの味方なんだよとローは内心思っていた。
「……」
ローはユーリから視線を外すと相手の表情を見た。男は相変わらずの笑顔だった。
フルハウス以上に強い組合せとなると、最早0.1%の世界で出来る4カード以上のものか、同じフルハウスでロー以上に強い数字のどちらかだ。
そんな低確率の組み合わせをたったの2回目で引けるのだろうか。
もちろんフルハウスもかなりの低確率なのだが。