第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「……フォールド」
ローは勝負を降りた。
♥が4つもなければ挑んでも良かったが、なんとなく嫌な予感がした。
「へぇ、意外と用心深いんだね」
そう言って男が手札を見せてきたが、見事にストレートだった。
ローはため息を吐いた。
何だかんだで真面目に勝負をしているが、別に負けても実力行使に出るので問題はない。
ローは海賊なのだから当然だ。勿論相手もそれは分かっているだろう。
しかしユーリの前で負けるのも気に入らないし、最初に言ったが面倒が起こらないで済むならそれにこしたことはない。
「それじゃぁ2回目行くよ」
ローが勝負を降りたことにより、2回戦が始まった。
配られたカードを見ると、K♠ K♥ だった。
またもや同じ数字で強いカードに、もしかしてこれは罠なのかとローは勘ぐっていた。
そして3枚のカードがテーブルに置かれた。
Q♠ 5♥ 8♦
「そういえば君は図書館にいたような気がするが、本が好きなのかい?」
「…それがどうした」
4枚目のカードが置かれた。
Q♠ 7♥ 8♦ 7♠
「いやいや、私も読書が好きでね。君とは気が合いそうだ」
「合うわけねぇだろ。その胡散臭い笑みを消したらどうだ」
「それを言うなら君こそ笑ったらどうだね。彼女も見てるんだ、楽しく行こうじゃないか」
男の言葉にローがユーリに視線を向けると、当事者以上に落ち着かない様子でソワソワしていた。
二人のカードが見えているわけでもないのに、何をそんなに挙動不審になっているのか。
恐らくローが負けるのを心配してるんだろうが、負けたところで大人しく引き下がるわけがないと何故気づかない。
「おまえが心配するようなことは起きねぇから、もう少し落ち着いたらどうだ」
これで伝わるか分からないが、取り合えずユーリを安心させたかった。
そして5枚目のカードがテーブルに置かれた。
Q♠ 7♥ 8♦ 7♠ 7♦