第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
ローはカードを見ると、相手の男に視線を向けた。
終始笑顔の男は何を考えてるか分からない。
もちろん終始無表情のローも何を考えているか分からないのだが。
ローの手元のカードは Q♠ Q♦ だ。
まさかいきなり同じ数字で、しかも強いものが来るとは予想してなかった。
もちろん表情には出さないが。
そしてテーブルに3枚のカードが表向きで置かれた。
7♥ J♥ 10♠
「指輪をはめていたように見えたけど、もしかして彼女は君の妻かい?」
「…だったらなんだ」
テーブルに置かれたカードだけではまだ勝てるか分からなかった。
そして4枚目のカードが置かれた。
7♥ J♥ 10♠ 9♥
「そうなのか。やはり魅力的な女性は手が付けられるのが早いね。ますます欲しくなったよ」
「人の妻に手を出すとはいい度胸じゃねぇか。それでも海軍かよ」
目の前の男は世界政府関係者だと言っていたが、どうせ海軍だろうとローは思っていた。
「ふふふ、海賊の君に言われたくはないな」
案の定否定しなかった男に、ローは内心ため息を吐いた。
そして男の言葉を適当に流しながらローは手札を見た。
5枚目が来て組めるとすれば3カードかストレートだろう。
そして5枚目のカードが置かれた。
7♥ J♥ 10♠ 9♥ Q♥
「そういえば彼女は何て言う名前かな?」
「てめぇに教えるわけねぇだろ」
ローが出来たのはQの3カードだった。
これでも十分強いのだが、♥が4つあるので相手がフラッシュの可能性もあるし、13か8を持ってればストレートでローが負けになる。
相手の表情は相変わらず笑顔だった。
因みにユーリの位置からは男のカードは見えないので、彼女の表情は宛てにはならない。
まぁもともと宛てにする気はなかったが。