第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
ローは目の前に座る男を睨みつけていた。
目の前の男がポーカーに長けているのはなんとなく察してた。
相手の得意分野で勝負を挑むのは何とも無謀だが、ローは得意なゲームがあるわけでもないので、正直どれで勝負をしても対して変わらないだろう。
それならまだルールが分かりやすいポーカーの方が勝てる余地があった。例え相手がプロだとしても。
「君は少しは出来そうだけど、流石に一回勝負じゃ可哀想だから3回勝負にしてあげるよ。3回勝負と言っても一回でも負けたらアウトだよ。
最後のカードが提示されて勝てると思えば勝負を挑んでもいいし、負けると思うなら降りてもいい。2回戦まで降り続けたら、3回戦は強制的に勝負することになるから。勿論私は一度も降りない」
そう言う男の表情は実に楽しそうだった。
「…そうかよ」
ローは下に見られてることに一瞬イラっとしたが、ここで断るほど馬鹿ではない。
相手が強いのは分かってるので、少しでも己に有利になるよう勝負を進めなければ勝てる勝負も勝てなくなってしまう。
というかチップ制度がないだけマシだった。
それがあると余計に考える材料が増えて面倒で仕方ないのだ。
「それじゃぁ始めようか」
男の合図でディーラーから2枚のカードが配られた。