第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「……はぁ、その勝負受けます」
ユーリはグルグル考えていたが、もう考えるのが面倒になり勝負を受けることにした。
どうせ逃げれないのだからハッピーエンドを迎えるためには勝負を受けるしかない。
もし負けたら、その時に考えよう。
というかローがどうにかするだろう(物理的に)
「ふふ、ノリがよくて助かったよ」
男は笑うと、ディーラーに合図をしてゲームは開始された。
そして3分後
ユーリは予想通りというか非常にあっさり負けた。
あまりにもあっさり負けたので、男もキョトンとしていた。
「いくらなんでも表情に出し過ぎだよ」
男は勿論ポーカーのプロだ。
まさかユーリがここまでド素人とは思わず、苦笑いが止まらなかった。
男はユーリをその気にさせる為に所詮は運だと言ったが、カジノのポーカーはそれだけではない。
相手の表情をいかに読むかが勝負のカギなのだが、彼女に教えてあげても勝っていただろうと思うと少し気の毒になった。
「まぁでも、そんなところも君の魅力の1つか」
しかし勝負は勝負だ。
男はそう言って笑うと、ユーリの隣に来て肩を引き寄せた。
勿論ユーリの身体は動かないのでされるがままだった。
「いや、ちょ、ちょっと待ってもらっていいですか?取り合えず5分くらい」
「往生際が悪いよ。君は私のものになったんだから、さぁ部屋へ行こうか」
男は立ち上がるとユーリを横抱きにした。
(ぎゃぁぁぁ!なんでもう少し勝負の時間を稼がなかった!というかこれならローが来るまで勝負を受けなければよかったぁぁぁ!)
ユーリは顔を引きつらせながら動かない身体を動かそう再生の力を発動したが、駄目だった。
何だかんだでローと離れてから10分も経ってないので、この展開の速さには最早引かれるレベルだ。
何とか時間を稼ごうとするが、いい方法が思いつかない。
ユーリはこの後どう転んでもBADENDしか見えなかったので、取り合えず逃げたかった。主に2人から。