第1章 前編 時の彼女と死の外科医
「………え!?もう再会するの!?ハヤクナイデスカ」
ユーリは一瞬状況を理解できなかったが、すぐに手すりから離れてローから距離を取った。
そんなユーリを、嘲笑うような表情で見てるローからは狂気が垣間見えた。
何か覚悟を決めた、そんな表情だ。
「まさか私を物理的に消しに来た!?黒歴史の元凶となった私を!?」
ユーリは普段と違う空気を纏ってるローを見て、思わずそう思ってしまった。
「……だいたい考えてることは分かるが、その思考回路はどうなってんだ」
ローは呆れた表情でため息を吐くが、すぐに嫌な笑みを浮かべてユーリとの距離を縮めてきた。
「そんな鬼哭を構えながら言われても、他にどう考えろと」
「あぁ、これはまたおまえに逃げられても面倒だからな」
「ほら!やっぱり殺る気満々じゃないですか!」
ユーリは後ずさりながら、やっぱり選択肢を間違えたせいでBADENDになってしまったんだと嘆いた。
何が悲しくて好きなキャラに死の宣告をされないといけないのか。
ドレスローザ編が終わるまで見守りたかったのに、まさか嫌われてしまうとは。
(でも、嫌われてもいいからとりあえずローが苦しまないように今後は幽霊部員として見守ろう。私がいなくなってもローがルフィ達に上手く話すでしょう。もともと今この場で消したがってるし)
ユーリはそう決めるとワープを使い船から離れようとしたが、能力が発動しなかった。
「……は?」
一瞬状況が理解できず唖然としてると、ローに腕を掴まれ倉庫のような場所に飛ばされた。
「あぁ、そうだな、確かに`ヤル`気満々だな」
壁に押し付けららたユーリ。
思わず彼の瞳へ視線を向けると、そこには狂気の色が浮かんでいた。