第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「…え、えーっと…賭けって?」
ユーリはもともとゲームをする予定だったので、それ自体は良かったのだが客同士で掛ける意味がよく分からなかった。
「ディーラー相手に勝負をすることもあれば、客同士で勝負もできるんだ。その代表がこのポーカーさ」
ユーリは男の言葉になるほどと納得したのだが、この男が席についたとき周りの空気がざわついた。
ーーーおい、あれって…
男が席に着くと、ポーカーをしていた客は皆その場を離れていった。
テーブルにはディーラーとユーリと男の3人だけになった。
ユーリは何なんだと思って周りと見ていたが、どの客も遠巻きにユーリ達の様子を見ているだけだった。
「そういえばあまり慣れていないようだけど、カジノは初めてかい?」
「そうですね、今日初めて来ました」
ユーリは取り合えず男の正面の席についたが、周りの異様な空気にどうしたものかと考えていた。
「それは流石の私も戦いづらいな」
「あ、いえ、ポーカーくらいならルールは知ってます」
知っていると言ってもトランプでのルールなのだが、そう変わりはないだろうと思った。
それよりもこの男が何者か気になってた。
「そうか?うーん……まぁいいか。因みに私との勝負で掛けてもらうのはチップではないよ」
「…ん?何を掛けるの?」
「そうだね……君が勝てば望むものをなんでも。負ければ……」
ーーー私のコレクションになってもらおうか
男の発した言葉に、ユーリはよく意味が分からず首を傾げたのだった。