第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
(はぁ、あんまり興味が湧く本がなかった)
ユーリは色々と本を見て回ったが、結局何も手に持たずローの所へ戻ってきた。
何も持たずに戻れば、勿論あるのは絵本だけである。
ユーリは渋々とその絵本をもう一度開いた。
ーーーーむかしむかしあるところに、おじいさんと…
「Zzzz」
今度は開始半行でユーリは眠りについた。
ローは席に座って即効で寝始めたユーリに一瞬視線を送ったのだが、特に気にせず本を読んでいた。
まったくもってお互い自由である。
そして暫く本を読んでいたローだが、ユーリが何やらケーキと寝言を言ってきた。
一瞬起きているかと思ったが、彼女は穏やかに寝息をたてていた。
ローは口の端に笑みを浮かべると、そっとユーリの頭を撫でて再び読書に戻った。
そして暫くの間、ゆっくりとした時間が二人の間に流れたのであった。