第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
(……ん?なんだこれ?不良品か?)
ユーリが偶々手に取った本はどういうわけだか白紙だった。最初だけかと思っていたが最後まで白紙だったので印刷ミスか何かだろうか。
表紙には何か文字が書いてあるが、見たことのない文字なのでまったく分からない。
(そうだ、ローなら読めるかな?聞いてみよう)
ユーリは本を閉じると、ローの元へ向かおうとした。
しかしどういうわけだか、突然本を掴んでいる感覚がなくなった。
(あれ、なくなった?……どういうことだ?)
ユーリは消えた本に暫くキョトンとしていたが、辺りを見渡しても見当たらない。
一瞬無くしたのかと焦ったが、しっかり掴んでいたのでそれはないだろう。
(……遂にボケたのかな……まぁいいか)
暫く本を探していたのだが、見つかる気配がないので諦めることにした。
もともと物事を気にしない性格なので、ユーリの興味対象はまた別の物に移っていったのだ。