第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「しかしキャプテンが誰かと籍を入れる日が来るとはねぇ」
「まったく想像してなかったよね。どうせ女は捨てても寄ってくるから特定の人物は作らないと思っていたよ」
「まぁユーリだからなぁ、キャプテンが落ちるのもなんとなく分かるよ」
「そうだねぇ、彼女だからなぁ」
「あぁ、確かに」
「……何が言いてぇんだ」
何とも含みのある感じでからかってくるクルー達を、ローは酒を飲みながら睨みつけた。
「いや何て言えばいいか分からないけど、うん……彼女は凄いよ」
「身も心も強いからほっといても大丈夫そうだけど、ほっとけないというか」
「何より一緒にいて飽きなさそうだよね~それになんか阿保なところとか癒されるし」
「確かに、一緒にいてこっちも明るくなれるよね。暗い雰囲気とは無縁そう。笑いの耐えない家庭とか作れそうだよね」
「ま、一番はあの服装で美人を保てるとこじゃね?最早奇跡だよ」
「あはは、言えてる」
ローはクルー達の言葉を静かに聞いていた。
ユーリの良いところなどわざわざ言われなくても分かっているし、他にもまだまだあることも知っている。
まぁそんなこと言えばまた冷やかされるので黙っているが。
「そこらの男並みに誰かを守りたがるからね、ちゃんと守ってあげないと駄目だよ」
「……当然だ」
ローはグラスに口づけると、前方で何やら騒いでいるユーリを見て表情を緩ませた。
その姿に周りのクルー達は更にニヤニヤしていたが、ローが気づくことはなかった。