第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「では、誓いのキスを」
神父の言葉に軽く動揺していたユーリだが、ローはさっさとユーリの顎を掴むとキスをしてきた。
人前でキスをしたことがなかったユーリは、心の準備が出来ていなかったので一瞬で石化した。
花嫁の石像の出来上がりである。
「本当に見ていて微笑ましいですね。この後写真を撮ったらそこの扉から外に出てみるといいですよ。とても海が綺麗ですから」
最初こそさっさと来いと思っていた神父だったが、二人のやり取りを見ていて何時の間にか和んでいた。
そして石化しているユーリを元に戻そうとしていたローだったが、まぁいいかと思ってそのまま写真を撮らせた。
「ドレス等はお買い上げという事なのですが、この後着ていました洋服に着替えられますか?」
「いや…処分して貰って構わない」
「分かりました」
ローは写真を受け取ると、後は自由にして構わないという事だったのでユーリを引きつれて外に向かった。
そして放心状態だったユーリは何時の間にか写真まで撮り終っていたことに気づき、どんな感じに撮れているか気になったが、ローに引きずられるように外に連れていかれたので写真を確認する暇もなかった。